F3A審査員講習会

 

2月11日、今年も、ジャッジ講習会を聴講に

行ってきました。多少、解釈が変わったところなど、

いくつかあるようですので、ご紹介しておきます。

 

と、言うことで、3000円の受講料の領収書と、資料をいただきました。

 

 
 

続々と、受付中です。およそ50名ほどの、全国津々浦々からの参加のようでした。

 

 
 

もちろん、解説はこの方ですね!

 

 
 

やはり、正確さが50%、と、解釈が以前のように戻りました。円滑性・優美性が25%、

位置12.5%、演技の大きさ12.5%の割合で、審査する、とのこと。

 

 
 

ジャッジ講習会ですから、審査についてのお話。最初から最後まで、一貫したジャッジを

してください、と。さっきちょっと厳しかったから、この演技は甘めに・・・は、NG!

フライヤーとしては、いつも甘めに!とお願いしたいですが・・・

 

 
 

ここは、基本的なところですが、模型の姿勢ではなく、飛行経路(模型の重心位置の航跡)

が、幾何学的に正確な図形でなくてはいけません。

右のスクエアループは、模型がナナメですが、右風の場合、正確な図形、ということに

なります。左は、模型は垂直に見えますが、飛行経路が風に流されるため、台形になって

います。

 

 
 

飛行姿勢もそうです。右風の場合、模型が右に傾いていて正解。飛行経路が垂直に上昇・

降下を描いている場合、減点はありませんが、模型がまっすぐでも、飛行経路が風に流さ

れて斜めに上昇・降下すれば、15°までにつき1点の減点です。

 

 
 

傾きもそうです。水平に対して、ロール方向に15°以内は1点、30°以内で2点の減点

となります。また、水平飛行でも、15°以内の上昇・降下なら1点減点です。30°も上昇

しながら水平飛行することはないとは思いますが、その場合は2点減点ですね。

 

 
 

演技と演技の間に直線飛行がない場合は、前後の演技から1点ずつ減点です。ターンアラ

ウンドの場合、2つの連続する演技のうち、1つは必ずセンター演技ですから、係数の

高いセンター演技が、たったそれだけで1点引かれ、サイド演技からも引かれてしまいま

す。センター演技が係数5なら5点+サイド演技が係数2なら2点、それがジャッジ3人

分なら(5+2)×3=21点減点になってしまいますヨ!!

 

 
 

それから、ロールの前後に直線が入らなくてはならない演技で、それぞれの直線の距離が

同じでない場合、2点減点です。P-11で言うと、たとえば、ハンプティバンプの半ロール

の、下の直線が短く、上の直線が長い、というだけで、2点、下りの2/4ポイントが忙し

くて、ロールした後直線なしでアップを引いてしまったら3点で、あっという間に5点も

減点ですね!フィギュアMなんか、あっというまに点数無くなっちゃいますヨネ!!

 

 
 

ループが含まれる演技は、すべての円の半径は同一。基準となるのは、最初のループです

ヨ。たとえば、スクエアループでは、最初のループの半径が小さかったら、すべて小さく

しないといけません。最初小さすぎたからあと3つ大きめに、とやってしまうと、それだ

けで3点減点です。以前は、3つが揃っていれば最初の小さなループ分の1点だけ減点、

という時もあったのですが、現在の解釈は最初の半径が基準です。

また、ループは、1つ角が見えたら1点減点です。

P-11で、ループの上90°で8ポイントロールってのがありますが、ロールするたびに角

ができちゃったら、8点減点くらっちゃいますネ!気をつけよう。。。

 

 
 

さて、これも難しい、ロール関係です。

1つの演技中、ポイントロールのロールレートは同一、ということですから、ロールレー

トが変わったら、1点減点です。フィギュアM、上昇3/4、下り1/4、その後の上り1/4、

すべて同じロールレートでやってますか?たいがい、最初の3/4Pのロールレートだけが

早く、下りはエンジンが吹けてないためロールレートがおそ〜〜くなってる人が、多いで

しょ?

2スローロールも、最初と後のロールレートが違う方が時々いますが、あれも減点です。

あまり差がありすぎると、上図のように、3〜4点も引かれちゃいます。

 

 
 

ストールターンですが、最高のストールターンは重心点を中心に回転。これなら、減点

なしです。半径が1/2翼長以内で1点減点、1翼長なら2点減点。1.5翼長になると、6

〜7点の減点です。2翼長以上となると、ウイングオーバーとなり、0点です。

トルク方向にねじれたりした場合は、15°ルールで減点です。

パッタン!は、0点ですヨ!

なお、上昇・降下中は、当然偏流をとって、経路を維持しなくてはいけませんが、完全

失速状態となっている、ストール中は、風に流されても減点してはいけません。

あくまで、ストール中だけですので、ストールターンの最初っから最後まで、風に流され

っぱなしですと、15°ルールで減点されます。

また、遠くなりすぎたりしたら、175m以上で1点、200m以上ならさらに減点です。

 

 
 

スナップロールは、上図の通り。バレルロールは0点。軸ロールの場合、大きく減点。

理想のスナップロールは、重心は直線経路をたどりながらテールがコークスクリューのよ

うに、グインっと回る状態ですね。なお、スナップロールの場合、演技の前後で、多少の

経路がずれるのは、減点しないそうです。ただ、スナップ後、飛行経路が斜めに変化する

のは、15°ルールで減点です。

また、スナップロールのオフセットは少しの場合は減点しない。大きい場合は減点。

スナップの入りに、UP、DOWN(ブレークというらしい)が見えないと減点。いわゆる

UPアクション、ってやつですね!

 

 
 

スピンは、水平直線飛行で開始。ノーズアップ姿勢になりますが、この時上昇したら、

15°までで1点引かれます。ノーズアップしますが、高度は変化しない、すなわち、正面

または背面コブラ状態ですね! で、失速に入り、機首が下がると同時に回転開始です。

よく、ガクン、と頭を下げてから回転を開始しているスピンを見ますが、これはダメです。

なお、スピンの切り返しは、最初と後のスピンのロールレートが同一が基本ですが、ほんの

わずかのレートの違いは、減点しないことになっています。明らかなレートの変化は、減点

されます(去年の講習会の話)。

 

 
 

さらにスピンの入りとスピン中は、失速状態になっていて、経路を維持することができま

せんので、スピンに入る直前とスピン中風に流されるのは減点できません。

ただし、風見鶏で機首が風上方向に向きを変えてしまうばあいは、15°ルールで上図の

ように減点されますヨ!

したがって、後ろ風ビュービューで、い〜ところでスピンを開始、スピン自体は完璧!と

ころが、降下してきたら、すんげー遠いな〜!ってのは、失速中でコントロールできない

のですから、減点してはいけない、ということです。

あと、センター演技のスピンの場合、センターでスピンを開始すればよく、スピン後降下

してきたら風で押し戻されてセンターからずれた、または追い風でセンターから先へ押し

流されて降りてきた、というのも、減点できません。

さらに、以前はスピン直前に完全に停止しなくてはいけないという解釈でしたが、現在は

失速していれば良く、停止は求められません。中には、離陸後風向きが変わってしまい、

追い風でスピンになってしまうこともありますし、完全無風の時も止まりません。

 

 
 

スパイラル降下は0点。それから、主翼が上がって回転を開始した場合も、スナップロール

と見なされ、スピンとしては0点です。エレベーターダウンを入れて無理やり機首を下げ

た場合は、2〜3点減点となります。

 

 
 

宙返り、ロールのコンビネーション演技です。ほとんどがこれらの応用となりますね。

とにかく、ループの半径は同一、ロールの前後には同じ長さの直線、です。

 

 
 

ダブルインメルマンの場合はロールの前に直線があってはいけません。直線が見えたら、

即2点減点ですヨ!それから、P-11のダブルインメルマンの最後のフルロールは、2つ

の円からはみ出さずに終了すること、と解釈が明確になりました。図形をはみ出してまで

ゆっくりロールをするのは、やはりダブルインメルマンの図形の外まではみ出す、という

ことで、このように明確化されたようです。

フルロールの長さは、円の直径まで、ということですね。

今さらですが、ダブルインメルマンは2つの同じ半径の円が接した形です。ソーセージの

ように横長の図形はNGです。アドバンスドクラスの演技では、こういう図形の人が多い

ですね。しっかり、基本から教えてあげたいですね。

 

 
 

フィギュア9は、上図の右のような形でOKです。P-11では、どうも下の高度と上の高度

の真ん中を抜けようとしている人が多いような気がします。それから、上の円の6時の位置

でループは終了して水平飛行に入らなくてはいけませんが、ループの後半の半径が大きく

なっている人が多いように思います。上のループの終わりの位置、6時の位置をよ〜く意識

してみて下さい。

 

 
 

フィギュア8は、上下2つの同一半径のループが接した図形です。真ん中に直線が見えて

しまう人が多いですね。

 

 
 

適正な演技位置は、センターで150〜175m。サイドは直線距離で300m〜350

mということになります。なお、自分を中心にした扇形に、手前傾きに飛行している人が

多い!との、成家さんのご指摘がありました。注意注意。

来年の実技講習では、150〜175mとは、ここだ!という位置を、計測器で計測しな

がら、実演してみよう、ということでした。

なお、BOX(フレーム)から出ている場合は、その出方の%に応じて減点だが、それば

かりではなく、絶対に出ているという場合は減点を大きくする、基本は「視認性」である、

とのこと。とにかく、距離そのもののことより、「視認性」ということを、何回も繰り返

していました。

 

 
 

センターずれは、そのずれ方によって減点。わずかなセンターずれは1点の減点です。

 

 

上記にかけませんでしたが、さらに以下のような説明がありました。

・ロールの切り返しで、水平飛行があったら1点減点。直ちに切り返すこと。

でも、ロールの止めは見えないといけない、と言ってましたが・・・

・P-11のオンコーナーは小さく行なっても、そのフライヤーの演技方法

なのだから、減点してはいけない。

これは、オンコーナーを大きく行うとその後のキューバン8の図形が大きく

なりすぎてしまうため、これに応じたオンコーナーを演じたいために小さくなるから。

オンコーナーからキューバン8を演じる際、キューバン8の2つ目のループが

最初のループより極端に小さくなって、ちょうどいい高度に抜ける選手が多い!

とのご指摘でした。

 

なお、その他、演技ではなく、FAIのルールについても説明がありました。

・可変スラストの禁止

・フェールセーフ設定は、電波が途切れた時、エンジンもモーターも

アイドリングまたは完全停止となるように。

・電動モーターは、タイムキーパーが開始を告げてから

バッテリーの接続を行う

・動力用バッテリーの電圧チェックは、機体に積んだ

状態で、レディボックス内で受ける。

・・・等でした。

 

 

以上、3時間にわたる講義でしたので、書き漏らしたこともあるかと

思いますが、今日のところはこのへんで。思い出したら、またどこかに

書きますので、よ〜く見てて下さいね。